専任技術者の確認書類について
建設業許可を取得するにあたっては許可を受けようとする建設業ごとに資格を有する等の要件を満たす専任の技術者を営業所ごとに置く必要があります。専任技術者が要件を満たしていることを証明するために、経験等を確認する書類と常勤性を確認する書類を用意しなければいけません。では、奈良県で一般建設業の許可を申請する場合、具体的にどういった書類が必要なのかを確認してみましょう。
資格や経験を確認する書類
建設工事に関する請負契約の適正な締結、履行を確保するため、許可を受けようとする建設業に係る建設工事についての専門的知識が求められます。このため、専任技術者には、一定の資格や経験が求められています。なお、許可を受けようとする建設業が一般建設業であるか特定建設業であるか、また建設業の種類により、それぞれ必要な資格等が異なります。詳細は こちら のページをご確認ください。
資格を証明する書類
資格を証明する書類は、対象となる資格の資格証や合格証の写しを添付します。当然、許可を受けたい業種に対応した資格が必要です。登録、更新が必要な資格の場合、資格の更新を行っていなければ、専任技術者の要件を満たさなくなる可能性がありますので注意が必要です。
また、一部の資格では、一定年数の実務経験が必要となるものもあります。例えば、第2種電気工事士で電気工事の専任技術者となる場合には、3年の実務経験が必要です。ここで必要な実務経験は、資格の合格後でなければいけません。合格前の実務経験では要件を満たしませんので注意してください。なお、実務経験が必要な資格の場合、次に記載する「実務経験を証明する書類」も、年数分必要です。また、特定建設業の場合、専任技術者になれない資格もありますので、下のリンク先の一覧表をよく確認するようにしてください。
※営業所専任技術者となり得る国家資格等の一覧はこちら(国土交通省の公式サイトへリンクしています。)
実務経験を証明する書類
指定学科卒業と一定年数の実務経験または10年以上の実務経験で専任技術者となる場合や、資格に一定の実務経験が必要な場合には、実務経験があったことを証明する必要があります。まず、ここでいう「実務経験」とは建設工事の施工に関する技術上のすべての経験のことです。建設工事の発注にあたって設計技術者として設計に従事した経験、現場監督技術者として監督に従事した経験、土工やその見習いに従事した経験等も含まれます。ただし、単なる建設工事の雑務のみの経験や事務の仕事は実務経験には含まれません。また、パートやアルバイトの経験も実務経験には含まれません。
なお、専任技術者になるための実務経験は、重複することができません。例えば、実務経験のみで「塗装工事」と「防水工事」の専任技術者になろうとする場合、塗装工事で10年、防水工事で10年の合計20年の経験が必要になります(ただし、一部の業種については、実務経験18年または16年で2業種の専任技術者になることができます。)。経験は連続ではなく、通算でも問題ありません。
また、電気工事業や解体工事業、浄化槽工事業のように、登録・届出が必要な業種については、その登録や届出を怠っていた場合、該当する期間は実務経験に含めることはできません。このほか、電気工事・消防施設工事のうち、電気工事士免状・消防設備士免状の交付を受けた者でなければ従事できない工事については、その免状の交付を受けた後の経験のみ実務経験に参入することができます。
実務経験を証明する書類として、期間中の常勤性を示す書類と実務経験証明書に記載された内容に対応する工事実績が確認できる契約書類を用意しなければいけません。
実務経験期間中の常勤性を示す書類
実務経験を証明する期間中、常勤で働いていたことを証明しなければなりません。例えば、法人での経験の場合は、社会保険被保険者証(現在もその法人に勤務している場合)、被保険者記録照会回答票、雇用保険被保険者離職票(その法人を既に退職している場合)などで、健康保険・厚生年金保険・雇用保険のいずれかに加入していたことが確認されます。当然、法人に勤務していたとしても、専任技術者になろうとする人が何らかの理由でその法人の社会保険に加入していなければ、その期間の実務経験は認められません。個人での経験の場合には、国民健康保険被保険者証、被保険者記録照会回答票、雇用保険被保険者離職票などを用意します。個人の場合には、他者の社会保険等に加入していなかったことが確認されます。
工事実績が確認できる書類
実務経験を証明する期間中に、実際に工事を行っていたことを証明する書類が必要です。例えば、契約書や注文書、請求書と入金記録(領収書・通帳)といったもので、1年に1件抽出して用意します。例えば10年の実務経験の場合には、少なくとも10年前の書類が必要になるということです。なお、建設業許可を受けていた場合には、決算変更届(控※受付印あるもの)でも構いません。以前に勤めていた会社での経験を含む場合には、その会社の書類も用意しなければいけないため、転職歴がある場合などはこれらの書類をすべて揃えるのは、かなり大変な作業になる可能性があります。
卒業を証明する書類
指定学科卒業、専修学校専門課程卒業に実務経験をプラスする場合には卒業証明書を、指定学科卒業検定合格に実務経験をプラスする場合には合格証明書を用意してください。
なお、監理技術者資格者証があれば、専任技術者の証明に用いることができます。この場合は、資格証明書類や実務経験証明書は不要となります。
常勤性を確認する書類
専任技術者はその営業所ごとに「常勤」でなければいけません。常勤とは、休日その他勤務を要しない日を除き、一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事していることを意味しています。したがって、他の営業所の専任技術者との兼務などは認められません。奈良県では、常勤性の証明のため、申請者に次のような書類を求めています。
法人の場合
申請者が法人の場合は、専任技術者の健康保険被保険者証と、直近の健康保険厚生年金保険被保険者標準報酬額決定通知書または算定基礎届(受付印のあるもの)を用意します。専任技術者が後期高齢者医療制度被保険者の時は、別の書類が必要です。新しく設立したばかりの法人で、保険証などがまだ届いていない場合には、健康保険・厚生年金保険新規適用届(受付印のあるもの)と健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届を用意します。
個人事業主の場合
申請者が個人事業主の場合、専任技術者が個人事業主本人であれば、国民健康保険被保険者証を用意します。また、専任技術者が従業員の場合は、国民健康保険被保険者証と雇用保険の加入を証する書類として、事業所別被保険者台帳、雇用保険被保険者証等が必要です。後期高齢者医療制度被保険者の場合や、雇用保険適用除外の場合などは、別の書類が必要です。なお、申請者が社会保険適用事業所の個人事業主で、専任技術者が従業員の場合は、上記の法人の場合と同じ書類が必要です。
上記のように、専任技術者の要件を確認する書類は、申請者が法人であるかどうか、個人事業主であるかどうかなどによって、必要な書類が異なり、場合によっては、過去10年以上遡って書類を用意する必要があるケースもあります。時間も労力も要することが予想されますので、手引きを十分に確認の上、余裕をもって準備をしていただくことをおすすめします。
建設業許可や更新、決算変更届、経営事項審査などに必要な書類の作成や申請の代理を当事務所が承ります。お気軽にお問合せください。
詳細は こちら のページをご参照ください。

