産廃収集運搬許可を受けた者は、産廃収集運搬の業務を行うことができるようになりますが、一方で許可業者として、様々な義務が課せられることとなります。

1.処理基準の遵守

産業廃棄物の収集運搬にあたっては、次の基準を守る必要があります。

・(特別管理)産業廃棄物が飛散し、流出しないようにすること。
・(特別管理)産業廃棄物の収集運搬に伴う悪臭、騒音、振動によって生活環境の保全上支障が生じないように必要な措置を講ずること。
・(特別管理)産業廃棄物の収集運搬のための施設を設置する場合には、生活環境の保全上支障が生ずるおそれのないように必要な措置を講ずること。
・運搬車及び運搬容器は、(特別管理)産業廃棄物が飛散、流出、悪臭が漏れるおそれのないものであること。
・船舶を用いて(特別管理)産業廃棄物の収集運搬を行う場合には、(特別管理)産業廃棄物の収集運搬の用に供する船舶である旨、氏名または名称、許可番号を船橋の両側(船橋のない船舶の場合は両げん)に鮮明に表示すること。
・車両を用いて(特別管理)産業廃棄物の収集運搬を行う場合には、車体の両側面に、産業廃棄物の収集運搬の用に供する運搬車である旨、氏名または名称、統一許可番号(許可番号の下6桁)を規定の大きさで識別しやすい色の文字で鮮明に表示すること。
・船舶または運搬車を用いて(特別管理)産業廃棄物の収集運搬を行う場合には、船内または車内に許可証の写し、産業廃棄物管理票(マニフェスト)を備え付けておくこと。
なお、電子マニフェストを利用している場合、産業廃棄物管理票の代わりに電子マニフェスト使用証及び必要事項を記載した書類(携帯電話等で常に確認できる状態であれば、
電子情報も可)で代替できます。
・石綿含有産業廃棄物または水銀使用製品産業廃棄物が、破砕することのないような方法により、かつ、その他の物と混合するおそれのないように他の物と区分して、収集運搬すること。
・特別管理産業廃棄物による人の健康または生活環境に係る被害が生じないようにすること。
・特別管理産業廃棄物がその他の物と混合するおそれのないように、他の物と区分して収集運搬すること。(一定の場合を除く。)
・収集運搬の際に、特別管理産業廃棄物の種類、取り扱う際に注意すべき事項を文書に記載し、携行すること。(運搬容器にこれらの事項が表示されている場合を除く。)
・感染性廃棄物、廃PCB等、PCB汚染物、PCB処理物または廃水銀等の収集運搬を行う場合には、必ず密閉できること、収納しやすいこと、損傷しにくいことを満たす運搬容器に収納して、収集運搬すること。

なお、この基準は許可の必要ない自社運搬のみの事業者の場合であっても、遵守しなければなりません。

運搬車への表示について

上記のとおり、車両を用いて産業廃棄物の収集運搬を行う場合、その運搬車に所定の表示が義務付けられています。表示内容や文字の大きさなどに定めがあります。表示例は次のとおりです。

表示は、車体の両側面に見やすく表示しなければなりません。車体に直接塗料等を用いて表示することはもちろん、マグネットシート等による着脱式の標章(ただし、走行中に車体から容易に落ちないもの)で表示することも可能です。また、表示がされていても、シートなどに隠れて表示が見えない状態となっていると、表示義務違反に該当しますので注意してください。「両側面」については、運搬車の進行方向に対する車体の左右の面を指すもので、左右で表示の位置が非対称であったり、荷台や被牽引車に表示しても問題ありません。

なお、特別管理産業廃棄物の運搬車両についても、「特別管理」を表示する必要はなく、「産業廃棄物収集運搬車」の表示で問題ありません。

許可の必要ない自社運搬のみの事業者の場合、許可番号以外を表示することが義務付けられています。

2.委託基準

排出事業者から(特別管理)産業廃棄物の収集運搬の委託を受ける場合には、次の事項を記載した委託契約書を作成し、(特別管理)産業廃棄物収集運搬業許可証の写しを添付しなければなりません。

・受託する産業廃棄物の種類・数量
・運搬の最終目的地
・委託契約の有効期間
・委託者が受託者に支払う料金
・産業廃棄物許可業者の事業の範囲
・積替え保管場所で保管できる産業廃棄物の種類及び保管上限(収集運搬業者が積替え、保管を行う場合)
・安定型産業廃棄物の場合、他の廃棄物との混合への許否等(収集運搬業者が積替え、保管を行う場合)
・産業廃棄物の性状及び荷姿に関する情報
・通常の保管で、腐敗・揮発等の性状変化がある場合の情報
・他の廃棄物と混合等により生ずる支障等の情報
・JIS C0950号に規定する含有マークが付されたものである場合には、当該含有マークの表示に関する事項
・委託する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合は、その旨
・その他取り扱いの際に注意すべき事項
・委託契約の有効期間中に、廃棄物の性状等が契約締結時の内容から変更を生じた場合、変更情報が受託者側に適切に提供されるよう、変更に関する情報の伝達方法に関する事項
・受託業務終了時の受託者の委託者への報告に関する事項
・委託契約を解除した場合の処理されない産業廃棄物の取り扱いに関する事項

また、特別管理産業廃棄物の収集運搬を受託する際は、次の事項についてあらかじめ排出事業者から文書で通知を受けなければなりません。

・ 受託する特別管理産業廃棄物の種類、数量、性状及び荷姿
・ 受託する特別管理産業廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項

3.産業廃棄物管理票(マニフェスト)

産業廃棄物の収集運搬を受託する際は、次の事項を記載したマニフェストの交付を排出事業者から受けなければなりません。マニフェストは排出事業者が収集運搬業者や処分業者に委託した産業廃棄物の処理状況を把握し、不法投棄の防止など適正な処理を確保することを目的としています。

・管理票の交付年月日及び交付番号
・委託者の氏名又は名称及び住所
・産業廃棄物を排出した事業場の名称及び所在地
・管理票の交付を担当した者の氏名
・運搬又は処分を受託した者の住所
・運搬先の事業場の名称及び所在地(積替え保管を行う場合は、その場所の所在地)
・委託する産業廃棄物の荷姿
・産業廃棄物の最終処分を行う場所の所在地
・中間処理業者の場合は、交付又は回付された管理票を公布した者の氏名又は名称、管理票の交付番号
・委託する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物、水銀含有ばいじん等が含まれる場合は、その数量

また、産業廃棄物の収集運搬を終了したときは、交付されたマニフェストに次の事項を記載し、10 日以内に委託者にその写しを送付しなければなりません。

・氏名又は名称
・運搬を担当した者の氏名
・運搬を終了した年月
・積替え又は保管の場所において受託した産業廃棄物に混入している物(有償で譲渡できるものに限る。)の拾集を行った場合には、拾集量

4.委託者への通知義務

産業廃棄物収集運搬業者は、委託を受けた産業廃棄物の収集運搬を適正に行うことが困難となったり、そのおそれがある事由が発生したときは、10 日以内に、委託者に書面または電子ファイルで通知しなければなりません。該当となるケースは次のようなものです。

・産業廃棄物処理業等の全部または一部を廃止したことにより、委託を受けている産業廃棄物の処理がその事業の範囲に含まれなくなった。
・産業廃棄物処理業者等が欠格要件に該当するに至った。
・産業廃棄物処理法に基づく事業停止命令を受けた。

また、上記通知をしたときは、通知の日から5年間、通知の写しを書面または電子ファイルにより保存しなければなりません。

5.再委託の禁止

委託を受けた産業廃棄物の収集運搬を他人に再委託することは原則、禁止されています。ただし、以下のような定められた基準に従って委託する場合は、この限りではありません。

・排出事業者に対して、再受託者の氏名または名称、再受託者が再委託しようとする産業廃棄物の収集運搬業許可を有することを明らかにし、再委託についてあらかじめ排出事業者から必要な事項を記載した書面による承諾を得ること。
・再受託者に産業廃棄物を引き渡す際に、契約書の記載事項のうち定められた事項について記載した文書を再受託者に交付すること。
・再受託者との間で再委託契約を書面で締結すること(契約書の記載事項は通常の委託契約の場合と同じ)。

6.帳簿の記載と保存

帳簿を事業場に備え、次のような事項を産業廃棄物の種類ごとに、処理状況を記載しなければなりません。

収集又は運搬1 収集又は運搬年月日
2 交付された管理票ごとの管理票交付者の氏名又は名称、交付年月日及び交付番号 ※1
3 受入先ごとの受入量
4 運搬方法及び運搬先ごとの運搬量
5 積替え又は保管を行う場合には、積替え又は保管の場所ごとの搬出量
運搬の委託(再委託)1 委託年月日
2 受託者の氏名又は名称及び住所並びに許可番号
3 交付した管理票ごとの交付年月日及び交付番号 ※2
4 運搬先ごとの委託量

さらに、産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物、水銀含有ばいじん等が含まれる場合は、各事項にその旨を明らかにしておきます。

なお、帳簿は前月中における当該事項について、毎月末までに記載します。ただし、※1「交付された管理票ごとの管理票交付者の氏名又は名称、交付年月日及び交付番号」に関しては、管理票を交付又は回付された日から10日以内に、※2「交付した管理票ごとの交付年月日及び交付番号」については、マニフェストに係る産業廃棄物の引き渡しまでに記載しなければなりません。

また、帳簿は1年ごとに閉鎖し、閉鎖後5年間保存しなければなりません。